映画「あんのこと」の伏線考察について書いていきます。
時代背景はコロナ前後で割と最近の話でした。
この作品には原作がなく、映画を観て初めて内容そのものを知る事になるのですが
なんと実話が元となったお話でした!
実際に事件になっているので 新聞やネット等で既にご存知の方も多いかと思います。
個人的に観た率直な感想を言うと「めちゃくちゃアリ」でした!
そんな風にまとめたのか!って感じで楽しかったです。
そんな「あんのこと」ですが
今回考察するのは下記の「5つ」です。
1.河合優実さんにやられた!!
2.入江悠さんの監督作品
3.実話だからこその説得力と難しさ
4.ここは疑問!あなたはどう思う?
5.映画で伝えたかった事(個人感想:ネタバレ含む)
①河合優実さんにやられた!!
映画「あんのこと」で第48回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞に輝いた河合優実さん
他にも錚々たる顔ぶれの俳優がいる中での最優秀主演女優賞、正直とても驚きました
これまではドラマ「不適切にもほどがある!」と映画「悪い夏」を観ていて
すっかり不良&ヤンキー的な役のイメージがついてしまっていたのですが…
最近 朝ドラの「あんぱん」を観てからその固定観念が覆されましたね
作品自体はヒューマンものという事で、どんな内容でどんな演技をしたのか気になり初見。
作品によって全く違った一面を魅せてくる
今 最も気になる俳優さんでした!
杏(河合優実さん)の危険な行動には途中ハラハラしてしまいましたが、そこから何とか立て直すところはなどの演技は瞠目です!
そのあたりの細やかで、微妙な心情表現が表情と仕草で伝わってきます。
佐藤二朗さん演じる刑事役の多々羅は唯一救いのあるキャラなのでしょうか
おそらくアドリブ無しのシリアスな演技はこの作品でしか観れないかもしれないと思う程のレア感です
そして杏の母親役の河井青葉さん 杏よりも分かりやすく
自由奔放だけどやさぐれて荒んだ人生を歩んできたかのような言動が、とても演技とは思えなく
ある意味主演女優さんでした。
②入江悠さんの監督作品
監督は入江悠さんで 最近だと「室町無頼」(2025年)が公開されていましたね
入江監督の作品は「22年目の告白〜私が殺人犯です」(2017年)と「AI崩壊」(2020年)しか観ていないのですが
「あんのこと」はまたこれまでと全然違うジャンルで日常の不穏な空気感と良い意味で画質の古さと汚さを出しています
本当に色々な拘りのある作品の撮り方をする監督さんだなと思いました。
③実話だからこその説得力と難しさ
実話ものってほとんどの内容が暗く重たいのですが、この作品もまさにそれです!
観た感想はというと とても実話とは思えない
いや思いたくないものでした。
主人公の杏は小さい頃から虐待・リスカ・ウリ・ヤク中と普通に経験しなくてもいい事ばかり経験してしまいます
そして家庭環境も最悪で…観ていて心が抉られます。
周りには勿論手を差し伸べてくれる人達もいますが
彼らも人間でありその裏の顔も当然ある訳で
一部の人間は自分の事しか考えていなさ過ぎてそのあたりは非常に非情で心苦しい。
人を信じる事は悪くない
でも人だからこそ裏切りもあるという事を忘れずに!という事を思い知らされました。
それでも必要としてくれる仲間や知人がいる事で段々と忘れかけていた笑顔が戻ってきます。
この辺りの細かい感情の表現力がこれまた凄まじい!
そうして彼女の中に一瞬
一筋の光が差し込んだように見えました
④ここは疑問!あなたはどう思う?
何故そんな状況でも母親の言う事を聞いていたのか
母親も何故そこまで堕ちていったのか
杏の事をママと呼ぶ理由は?
隣人が我が子をいきなり預けて逃亡するもの?
他人の子を児相に預ける前に行政は調査をしないのか?
まずこの環境で何か他に手立てはなかったのか?
などなど せつなすぎて見ているととにかく色々考えてしまいます…
これ以外にもまだ考えさせられる事はあるので
その答えをあなたも探してみてほしい!
人間は奥深いですよね
⑤映画で伝えたかった事(個人感想:少しネタバレ)
ネタバレになりますが
最期は何ひとつ救いようのないラストになっています。
今 少しでも病んでいると思われる人にはこれを観るのは辛すぎるかも…
ちょうどコロナ禍の真っ只中にこのような事件が実際にあったなんて本当に悲しくなりました。
色々と有り得ない事は沢山あるのですが、杏は絶望して命を絶ったのではなく何かをやり遂げて自分の中でもう一度リセットしようとしたのではないかと私はそう思いたいです。
ラスト近くに出てくるカラスは死亡フラグなのかな?と思ったらまさかのまさかでした
あのシーンには台詞がないのにいちばん多くを語っている気がします。
とはいえ
この作品は内容こそ悲惨ですが 高評価されているので
気になった方は是非(前向きな気持ちで)観てみてくださいね
ここまで憂いや儚さや弱さも強さも時代に合った雰囲気までも兼ね備えた俳優さんはなかなかいないと思います。
「ナミビアの砂漠」も観てみましたが、こちらでもかなりの体当たりな演技をしているのでこちらも必見!ですよ
以上が、映画「あんのこと」の伏線・考察についてでした

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映画「あんのこと」のあらすじ
21歳の主人公・杏は、幼い頃から母親に暴力を振るわれ、十代半ばから売春を強いられて、過酷な人生を送ってきた。ある日、覚醒剤使用容疑で取り調べを受けた彼女は、多々羅という変わった刑事と出会う。
大人を信用したことのない杏だが、なんの見返りも求めず就職を支援し、ありのままを受け入れてくれる多々羅に、次第に心を開いていく。
週刊誌記者の桐野は、「多々羅が薬物更生者の自助グループを私物化し、参加者の女性に関係を強いている」というリークを得て、慎重に取材を進めていた。ちょうどその頃、新型コロナウイルスが出現。杏がやっと手にした居場所や人とのつながりは、あっという間に失われてしまう。行く手を閉ざされ、孤立して苦しむ杏。そんなある朝、身を寄せていたシェルターの隣人から思いがけない頼みごとをされる──。
◆みどころ(おすすめポイント)は?
映画「あんのこと」ってどんな映画なの?という人は、上の1分すこしの予告編映像(YouTube動画)もチェックしてみてください。
それでは、映画「あんのこと」の見どころを2つ、ネタバレなしでご紹介します。
見どころ①:人生観が変わる かも
幼少期から孤立状態で破滅的な人生だった杏。
母親によって自由も尊厳も奪われ、やっと信頼できる人達も現れたと思えば離れていき…
ある人物に隠蔽されていた事実が明らかになることで人間不信にもなり
自分の居場所さえも無くなり どんどんと闇に沈んでゆくさまを細かく丁寧に演じています。
魂が死んで やがて生還し また魂が死んでゆく
その負の無限ループがより残酷にも描かれているのです。
ここに果たして正解はあったのでしょうか
この杏という ひとりの人間の生と死について考えさせられます。
見どころ②:杏にふりかかる怒涛のマイナスの波
突然のパンデミックという未曾有の出来事の中。
部屋を借りて僅かの自由を手に入れたというその時に
ふと他人の子供の世話を託されるというとある事件が杏の身に降りかかります。
一見これは普通の思考だとただの迷惑行為でしかないのですが
杏は自分が虐待を受けていたが故に
自分の中での幸福な親子像を夢見ていたのか
徐々に受け入れ、母性を目覚めさせ 懸命に子育てを体感します。
しかし
ここでまたもや杏の母親がどこまでも追いかけてきて杏の日常を崩壊へと導きます。
ここは『母と子』というテーマがリンクされているんですね。
母親の嘘と身勝手な行動で事態が巻き起こり またしても孤立してしまう杏
そうして追いやられた先には… という感じなのですが
「こんな畳み掛けある?」
ってくらいの急展開は最後まで目が離せません!
◆印象に残ったセリフ・シーン
全体的にセンシティブなシーンが多い中でも週刊誌の記者・桐野の紹介で介護施設で働き始めた杏が、万引きをせず初任給でちゃんと買いものをしてそのうちのひとつを自分用に「プレゼントで」と言って買ったシーンは杏の成長と今後の希望を表していて感動しました。
元々セリフはあまりないので印象に残っている場面ばかりになってしまいますが
学校に行かせてもらえなかった杏が刑事の多々羅に勉強を教えてもらうシーンや、ノートに日記をつけるシーン、職場の人達の前で作文を発表するシーンなどは杏の前向きな姿勢が見られて応援したくなります。
暗いシーンでは絶望的に震え嗚咽しながらノートを燃やしてしまうけど
全部燃やしきれなくて大切な日記の1ページの欠片を握りしめて一緒に飛び立つところが印象的でした。
絶対にネタバレ厳禁なラストシーン
ラストの描写はあえてはっきりと映し出さないのですが
鑑賞した人がそれぞれの感覚で色んな捉え方ができる様になっているのかと思います
◆みんなの評判は?
映画「あんのこと」は実話ベースと言う事で世間でも話題になりました。
◆こんな人におすすめ
本当の話が好きな方や、人というものに興味を持つ人は、ぜひぜひ観てほしい!
【まとめ】
映画「あんのこと」の伏線考察について説明しました。
1.河合優実さんにやられた!!
2.入江悠さんの監督作品
3.実話だからこその説得力と難しさ
4.ここは疑問!あなたはどう思う?
5.映画で伝えたかった事(個人感想)

本当の話ってのが気になる
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