「木挽町のあだ討ち」は永井 紗耶子さんの小説で2023年1月に発売された本です。
直木三十五賞 や 山本周五郎賞 を受賞しています。
とは言え僕は知らなかったですが… 申し訳ないです。
今回2026年の2月に映画公開という事でその前に原作をという事で手に取ってみました。
歌舞伎にもなってるんですもね 期待がもてそうです!
僕の好みはミステリーやホラーが中心で、時代ものは宮部みゆきさん・京極夏彦さんに偏っているという
偏食でいわゆる賞ものにもあまり触手が動かないたちなのです…
とは言え気になった本は読まなきゃ気が済まないので楽しく読ませていただきました!
これね 面白かった!!
展開はわりと最初の方で読めるんですよ、読めるんだけど気になってスイスイ進んでいく本です。
最後はすっきりした気持ちになれるし これはオススメです。
Contents
粗あらすじと個人的な考察
物語のながれ
ある雪の降る夜に芝居小屋のすぐそばで、美しい若衆・菊之助による仇討ちがみごとに成し遂げられた。父親を殺めた下男を斬り、その血まみれの首を高くかかげた快挙は多くの人々から賞賛された。二年の後、菊之助の縁者という侍が仇討ちの顛末を知りたいと、芝居小屋を訪れるが――。現代人の心を揺さぶり勇気づける令和の革命的傑作誕生!
引用:新潮社
事の始まりは菊之助による父親の仇討ち。
その仇討ちから2年後、菊之助の縁者と名乗る18歳のお武家さんが菊之助本人からの文を携えて木挽町にあらわれます。
そして当時を知る人物に詳細を聞いて回ります、菊之助の文にはその人たちの素性なども合わせて聞いてくるように書かれていました。
なぜ2年後に現地でそれをする必要があるのか? この縁者は誰で何を知るために来たのか?
仇討ちを目撃した者たちから語られる事から何を知りたいのか
このあたりを気にして読み進めると結構早い段階でいろいろと想像できます。
ひとりで勝手に展開や動きをあれこれ先読みや考察しながら読み進めていきましょう!
新潮社さんの特設サイトでは今も第一幕(章ではないのよ)が無料で読めるので、僕のこの記事を読んで(ここ大事)気になったらまず読んでみるのも良いかも!
そんな「木挽町のあだ討ち」を読んで感じた考察(ってか感想)をまとめます。
今回考察するのは下記の「5つ」です。
1.芝居小屋
2.稽古場
3.衣装部屋
4.長屋
5.升席
1.芝居小屋
一番最初の証言者は木戸芸者の一八。 一八の過去は遊郭つながりという事で昨年の大河を何となく思い出させました。時代は田沼さまが失脚したあたりっぽい。
元は遊郭で幇間として働いていたけれど、下手を打って芝居小屋に流れてきた経緯をもつ一八は人は悪くない事はわかります。
木戸芸者という事もあって、事の次第を語るのがとても上手く話を聞いていると情景が浮かぶかのようです。 この仇討ち、最後には相手の首級をかかげて討ち取り、その雄姿をこれでもかと語ります。
周りにも見ていた人がいた中での仇討ちでもあり、たしかに嘘をついているようには思えない。
ただ、良く語るがゆえにどうも語り馴れしていて若干盛ってる感もあったのか 他の人の話も聞きたいとお武家様。
まあ 読んでてもそんな気はする 笑
それでは という事で稽古場で指南している与三郎という者を紹介し、二幕へと進みます。
この1幕で語られたのは、通り一遍に言われている仇討ちのあらましだったわけですが、どうやら仇と菊之助は体格差もあったため、対抗できるよう剣を磨く必要を感じこの与三郎と稽古を積んだらしい。
この時点で僕は、そんな体格差で首級あげて勝てたのか?? と疑問がわいたわけですが。
そう思いません?
2.稽古場
稽古場で指南していた与三郎ですが、殺陣の指南という事ですでに怪しい 笑
ただ元御徒歩組という事もあって腕には覚えがある様子 なるほど強そうだ。
で この与三郎は名前のとおり三男であり、家督を継ぐわけではなので自分で稼ぎを見つけなければならない立場。 その剣の腕で士官を目指すも道場内の身内推しに負けてあえなく挫折します。
それも信頼していた者にちょっと騙された上に刃傷坐作になってしまい とてもそのまま武士を続けられない状況…
でもその時の剣の腕を見込まれて芝居小屋で指南をするようになるわけです。
で、そんな彼の元にやってきたのが菊之助。
徐々にお互い打ち解け仇討ちの話となるが、どうやら本人は当初あまり前向きではない様子。
よくよく聞くと仇討ちの相手 作兵衛は菊之助のいる前で父を殺したのだけれど実はそこまで怨んではおらず、仇討ちを申し届け出たのも家督相続の争いに巻き込まれたせい と言う事が明かされる。
それでも正式に仇討ちが上げられた以上は事を成さなければ家元に帰る事は許されず、そのままでは母親が取り残されてしまうだけのなってしまう。
悩む菊之助に与三郎は自分の境遇と重ねあわせ、後ろ盾になって結果 仇討ちを遂行した と言う。
ひと通り話を聞いたお武家様は、他の人物にも話を聞かせてほしいと伝えます。
そんなわけで今度は菊之助を可愛がってくれていた衣装の繕いをしている女形を紹介して次の幕へ!
よく頑張った菊之助! となるけど やっぱり疑問が…
菊之助ってそこまで怨みのない相手の首まで取ったの?
そしてその作兵衛、実は江戸に来て博徒になってたんだけど(新事実!)
だからって殺しても前ほど心病まないってなるかなー??
1幕の話と合わせると芝居がかってる気が強まってしまうのです
3.衣装部屋
衣装部屋にいる女形ほたるさんの話を聞くと、菊之助が仇討ちに心を決めた経緯が判明します。
このほたるさん、小さい頃から人外として扱われ続けていた時に初代ほたるさんに会います。
はい、今は二代目ほたるさんなんですね。 で、菊之助を三代目にって真剣に思ってたらしい。
菊之助は見た目にも普通の子とちがって人目を惹く容姿と魅力をそなえ持っていたそうで、ここまで話を聞いてきた人たちも菊之助のために ってわざわざ尽力するくらいだったらしい。
そんなこともあって何かと目にかけていたほたるさん、仇討ちについても菊之助とやりとりがありました。
先の幕でもあった、菊之助が仇討ちに前向きではなかった事ともかかわりがあるのだけど、どうやら仇の作兵衛も菊之助もお互いの居場所を把握しているらしい。
ん? どゆこと? ってなるよね。
いくら博徒になり下がったとはいえ恨みのない相手を殺すことに踏み込めない状態だったらしい。
作兵衛逃げないのかい!! 笑
ここで、ほたるさんが今までの自分の素性から得た人生訓?を菊之助に伝えるわけです。
ほたるさん的には仇討ちに踏み込めないのは、菊之助が武士として「男」でいなければならないって枷に囚われてるからだと判断したらしく、身分の上下に関係なく骨になったら皆同じなのだから骨の髄まで筋を通して生きられるようにすればいい と伝えます。
それからしばらくして「骨の髄まで通った気がする」と言い残し仇討ちを果たしたそう。
ここでは菊之助が仇討ちに際して覚悟を決めるにあたった経緯ともいえる人物に会ったのだけど、
どうにも仇討ちの詳細がみんな同じ事を言ってるのが気になってくる 笑
そんなへそ曲がりな僕です。
4.長屋
その後さらにどんな暮らしだったのかを、一緒に暮らしていた小道具職人の久蔵夫婦に話を聞きにきます。
一緒に生活を共にするとより菊之助のことを知っているかと思いきや ここの旦那さんが見事に何も話さん人 笑
そのかわり奥さんが良く話すのでそこから聞き出すと今まで知らなかった新事実がわかるわけです。
それは仇討ちの原因にもなった夜 作兵衛と父親、菊之助のみが関わった事実。
このあたりの幕から話は真実に近づいてくるので詳細を話すと面白味が無くなってしまいます。
なので記事の中身も薄くなる 笑
ただここまでの自分の読みは外れてないぞ といい感じで考察しながら読み進められます。
ページがとまらなくなるところ!
5.升席
一緒に暮らしたご夫婦の奥さんから、ついでに菊之助の面倒をよく見ていた戯作者の金治さんにも会って今の菊之助の様子を話してあげて と頼まれます。
この戯作者、舞台の筋書もしている元武士なんだけど この人との話が一番の肝です。
だって戯作者で筋書ってことは 今回の仇討ちってやっぱり… って思うじゃいですか
小説も終わりが近いし、もう話の全てを知りたくてしかたがない状態!
この戯作者と菊之助の関係、そして仇討ちを決めた菊之助の武士としての心根
語られた内容は
「そうだったのかーー」 って 読み手としても大満足!
ひと通り仇討ちの事を話した金治がお武家様に、どうせなら舞台裏もみて行きなと 最後に言ったセリフ
「面白い絡繰りがみられるぜ」
それは なんだー? ってわけで最後の幕「終幕」へと突入です
まとめ:最終的に終幕が楽しみすぎる
終幕は「国元屋敷」です。
絡繰りは何だったー? って気持ちをすかして かのお武家様が戻って菊之助と話をしてるところからはじまります。
お武家さまの名前は総一郎とここで判明 笑
本当に昔からの知り合いで、なぜこの時期にわざわざ江戸にまで話を聞きにいかねばならなかったのか、知った上で何が明らかになるのか
などすべてはっきりします。
で、なにげこのタイトルも伏線になってたとは まったく気がつかなかったです!!!
そして最後のセリフもあたたかくて たまらない余韻を残します
ぜひ 一読してほしい
できれば映画を見る前に!!!
そんな永井 紗耶子さんの「木挽町のあだ討ち」を読み、5つの考察をしてきました。
考察と言うより幕ごとに説明しました。
1.芝居小屋
2.稽古場
3.衣装部屋
4.長屋
5.升席
はじめて永井さんの本を読ませてもらいましたが、ぐいぐいと中に引き込まれました。
展開は予想どおりでしたが、それを最初から踏まえたであろう話の流れは全然飽きることなく読み進められます。
登場する皆さんがホントあたたかくて、みんな幸せに暮らしてほしいと思います!
映画も俄然楽しみになったので、公開まであともう少しがまちどおしい。
木挽町のあだ討ちはここから買えちゃう
この本たちも面白かった!!
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