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ミステリ系 怪談

伏線回収が凄すぎる!背筋『近畿地方のある場所について』を徹底考察

近畿地方のある場所について

「最近、心の底からゾッとするホラー小説に出会っていない…」
そんなあなたに読んでほしいのが、背筋さんの話題作『近畿地方のある場所について』です。

ただ怖いだけではなく、各所に散りばめられた伏線が最後に回収されていくのですが、それまでに自分の頭でパズルを組む楽しみ そしてあやふやな“場所”という概念の恐怖

この作品はただのホラーではありません
この記事では、原作でしか味わえないポイントや伏線の回収を徹底解説。
あなたの「読むかどうか」の迷いが、きっと「読んでみよう」に変わります

粗あらすじと個人的な感想

物語のながれ

情報をお持ちの方はご連絡ください

近畿地方のある場所にまつわる怪談を集めるうちに、恐ろしい事実が浮かび上がってきました。
                                  引用:KADOKAWA

なんと淡白なあらすじ 笑
簡単に言うと、編集仲間が行方不明になってしまったので探したい
ついてはこれまでの経緯をまとめていくので何か知ってる人は連絡くれ 的な話です。(雑っ! 笑)

そんな「近畿地方のある場所について」(著者:背筋)を読んで感じた伏線などをまとめます。
今回考察するのは下記の「5つ」です。

1.山→柿
2.赤い女・ジャンプする女・廃墟と貼り紙
3.石と人形
4.ましろ様関係
5.終わり部分と個人感想

1.山→柿

結構な頻度で登場する山関係、「山に呼ぶ男」「山が見える施設」「山から聞こえる声」「山に見える白い男」そしてそれと一緒になっている事が多い「柿(カキ)もあります」っていう誘い言葉。

これだけ見ると訳が分からなくて、山はさておき「柿?」って何? ってなります 笑
山から呼ぶ男と柿については後半明らかになり、どんな人をなぜ呼び込もうとしていたのか その怪異に取り込まれるのがどんな人なのか わかるとそれはそれで気持ち悪い話です。

それらは近畿地方の山に囲まれた一帯のトンネル・ダム・廃墟の心霊スポットに話が広がります。
山の東側と西側で顕在する怪異たち、後に出てくる「人形」の関連性もあったりします。

とっちらかっているようでつながる線が見えてくる けど 話が多くてこんがらがるーー(頭悪すぎ?笑)

2.赤い女・ジャンプする女・廃墟と貼り紙

正直「赤い女」が出てきたときはあまり重要視してませんでした 良くある話よね、と思ったので 笑
が これが意外と重要なポジションな怪異だったりします。

この赤い女と関連してるとおもわれるのが、「ジャンプする女」「怪しげな絵の貼り紙」(シール?)
「赤い女」両手を上にあげジャンプをします

これだけ聞くとなんじゃそりゃですが、この「ジャンプ」が他の怪異にも電波したりするので不気味です。
なぜジャンプするのかも後半には明らかになります が 事前にわかる方がいたらすごいと思う!

各地のあちこちに貼られている貼り紙、これは図柄が何を意味しているのか 誰がいつ貼っているのか
謎なんですけどこれも後々判明してきます。
ぶっちゃけ、図柄を見ても意味はわかりません 女の文字と了の文字、わかりそうで わかりません!

が、判明すると僕的には意外なつながりでした

これとさらに関連するのがとある廃墟幽霊マンションで、廃墟はツイートで凸実況をしている内容と「赤い女」がいずれリンクしてきます
読んでいても最初は気づかなかったけど、のちのち「赤い女と男の子」との関連もでたりする

幽霊マンションでの話はいくつかあるけど、このあとの「ましろ様」関係にもつながる部分で、山とも関連してきてます。

伏線にさらに伏線 みたいな
こうなるとますますこんがらがってきます 笑

3.石と人形

とあるバイカーが山の中でみつけた廃神社の祠、場所はもちろん近畿地方のあたり。
そこでみつけた人形たち そして 近畿地方で自殺の多いダムのバルブ室で見つけた人形
この段階では怪談につきもののの人形かな 程度だったんだけど、あとで全体の謎ときにも絡んでてビックリ

で、さっき出てきた「赤い女」と同じくらい重要なのが「石」
後半石の話が6つ出てくるのだけど、ポイントは「石」「宗教」「ジャンプ」「死に方」
石の由来とこれまでの話が

あなたの頭の中でリンクするかどうか!!

4.ましろ様関係

似たような言葉がでてくるんだよね
「まっしろさん」(幽霊マンション)、「ましろさま」(小学校ではやった占い)、「ましろさん」(学校の怖い話)
などなど 似てる感じの怪異が散らばってる

注目は学校の怪談をまとめた話の部分
ここでけっこう「あ そうかー」と気づくことが多かった。 ましろさん、ジャンプ女あたりね
で、「あきおくん」「あきとくん」からの「○○○くん」に 「おぉ!」ってなる。

このあたりから結構読む方としてもバババーっと進む感じです
頭のぐちゃぐちゃが整理されてきて、ピースもはまって形になってきます

そこに さらに「ましろさま」のルーツがはっきりするから
めっちゃくちゃ面白い展開ですよ!!

5.終わり部分と個人感想

最終的には 「そういうことかー」って思う終わりでした。
途中何度も「嘘ついてごめんなさい」「(話は)これでおしまいです」って出てくるんだけど、理由がわからなくて結構戸惑ってました(僕はね)。

そのあたりも含めて「そういうことかー」って腑に落ちます
これ、最初にカクヨムで書かれてた時はすごかったろうなー その時知らなくて残念すぎる。

パズルを完成させるように、読み手が自分で組み立てながら読み進める っていう感覚の本なんだけど
自分の理解力の低さにびっくりしました 笑

ちらばったピースが どうつながるのか頭のなかで全然整理できなくて
そうだなー 4回くらい読み直してやっと 理解できた感じです。

ひとつひとつを読むとあまり怖いものではないのだけど集合体となると、大きな怪異に形を変えて関わる人を取り込んでいく
そんな展開が怖すぎる

読む価値 バリバリの本です!

まとめ

今回は背筋さんの「近畿地方のある場所について」を読み、5つの考察をしました。

1.山→柿
2.赤い女・ジャンプする女・廃墟と貼り紙
3.石と人形
4.ましろ様関係
5.終わり部分と個人感想

ほんとはもっとガッツリ書きたいのだけど、これ以上ネタバレするとさすがにつまらないので、ぜひ読んで感じてほしい
もし、あなたが初独ですんなりと理解出来たら やっぱり僕の理解力が低いという事ですが 
何度もよんでより深みにハマってほしい そんな一冊です

すでに映画化にもなっています
内容は変更されています が、可視化された事によってなおさら恐怖が増したのと、話の展開がとってもわかりやすくなっているのでこれは良いです!

もちろん面白かったですよ!!



あと 今までまとめたのは単行本の内容なんですが、文庫本はまた加筆されてエンディングもガラっと変わってます
で、文庫本の方がより親切にまとめられています。
ただ 最初は絶対に単行本をオススメします
せっかくピースを頭で組み立てながら読み進めれるのが楽しみのひとつなのに、普通の小説みたく丁寧に種明かしされちゃうと ねえ? 笑

ただ 文庫本は文庫本で加筆が多く、最後の展開はかわっているので十分楽しめます
さらには 単行本での想像していた部分が補填され「やっぱりそうだったか」ってなったので、ある意味答え合わせ的に読んでみると良いかも

文庫本は映画の結末に近しい感じでしたね。

映画説明はこちら↓

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